ホームインスペクションの費用相場・依頼の流れを解説
ホームインスペクションは、第三者の目線から住宅の劣化状況や改修すべき箇所を見極めるサービスのことです。しかし、ホームインスペクションの知名度は高くないという実情があります。本記事ではホームインスペクションですることや費用相場、依頼の流れをまとめて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
ホームインスペクションでは何をするのか
ホームインスペクションは、不動産取引において重要な役割を果たすプロセスのひとつです。その実際の内容は、主に屋外と屋内の両方で行われます。
屋外での調査では、建物の外観や構造物に焦点が当てられます。具体的には、外壁や屋根にひび割れや劣化がないかどうかなどをチェックするのです。これによって、建物の耐久性や保護能力に関する重要な情報を得ることができます。
一方、屋内での調査では、床や壁、水回りなど建物の内部を重点的にチェックするのです。また、床下や屋根裏などの隠れた部分も検査され、ひび割れや水漏れ、劣化などの潜在的な問題を特定することが目的としています。このような徹底的な調査を通じて、建物の状態や潜在的なリスクについて、買主や売主が正確な情報をもてるのです。
また、既存住宅売買瑕疵保険は、売主の責任である隠れた瑕疵に対する保証を確実に履行させるための保険のこと。つまり、売主が責任を果たせない場合に備えて、買主が保険金を受け取ることができる仕組みです。これにより、買主は売買取引後に予期せぬ問題に直面した際にも保護されることになります。
一般的に、既存住宅売買瑕疵保険は、買主の立場から加入するケースが多く見られます。とくに、ホームインスペクションの結果を踏まえて、建物の状態に関するリスクをより明確に把握することで、保険の加入が促進されるのです。これによって、取引の安全性と透明性が向上し、両当事者がより安心して不動産取引を進めることができます。
ホームインスペクションの費用相場
ホームインスペクションの費用は、不動産の種類や規模、検査内容などによって異なりますが、一般的な相場を見てみましょう。
まず、一戸建ての場合、30坪ほどの物件におけるホームインスペクションの費用は、目視による基本的な調査で5万円から7万円程度です。
しかし、目視だけでは判断が難しい箇所もあるため、それらを含めた詳細な調査が必要な場合は、6万円から12万円程度。検査にかかる時間は、基本的な目視調査で3時間程度であり、詳細な調査を同時に行う場合は1時間ほど追加されます。
一方、マンションの場合は、70平方メートルほどの物件であれば4万円から6万円程度が一般的。マンションの場合、構造上部位破壊をともなう詳細な調査が難しいため、目視調査が基本となり、検査にかかる時間は約2時間です。
また、内覧会同行サービスを利用する場合もあります。これは、内覧会に建物の専門家が同行し、実際に検査を行うサービスです。一般的には、一戸建ての場合が5万円〜7万円、マンションの場合が4万円〜6万円程度の費用がかかります。ホームインスペクションの費用の内訳を見ると、以下のような要素が含まれるのです。
まず、住宅診断士や住宅検査員の人件費があります。彼らが実際に検査を行うための費用です。また、検査現場までの出張旅費や調査機器の使用料も考慮されます。さらに、事務スタッフの費用や報告書の作成費、広告宣伝費なども費用の一部を占めます。
以上の要素を考慮すると、ホームインスペクションの費用は検査の内容や規模によって異なりますが、一般的には目視調査で5万円〜7万円、詳細な調査を含めると6万円〜12万円程度が相場となります。
ホームインスペクションの依頼の流れ
ホームインスペクションを依頼する際の流れは、事前の準備や手続き、そして実際の調査から報告書の受け取りまでを含みます。以下はその具体的な流れです。
まず、必要書類の準備が重要です。建物の配置図や平面図、立面図、そして過去の地盤調査書などの資料が、ホームインスペクションの精度向上に役立ちます。これらの書類が揃っているほど、調査結果の信頼性が高まるのです。
次に、インスペクション会社に依頼を行います。電話やWEBサイトを通じて、調査の方法や費用についての問い合わせを行いましょう。
その後、調査日時を決定し、実際の申し込みを行います。調査当日には、事前に準備した必要書類をインスペクション会社に提出しましょう。
そして、住宅診断士や住宅検査員が依頼主とともに調査を行います。調査の時間は一般的に2〜3時間ほどであり、調査対象の規模や詳細度によって変動するのです。詳細な検査を行う場合や調査対象の広さによって、それ以上の時間が必要になることもあります。
調査終了後、調査報告書が作成されます。この報告書には、調査結果や発見された問題、改善の提案などが記載されます。報告書の受け取り方法は会社によって異なりますが、当日手渡しや後日の郵送などが一般的です。調査報告書の受け取りは、その後数日から1週間ほどかかる場合があります。
以上の流れを踏まえると、ホームインスペクションを円滑に進めるためには、事前に必要書類を準備し、調査日時を確定した後は調査当日の立会いや報告書の受け取りに備えることが重要です。
まとめ
ホームインスペクションは、建物の健全性を客観的に評価し、取引にともなうリスクを軽減する重要なプロセスです。本記事では、ホームインスペクションの内容、費用相場、手順について詳細に解説しました。
必要な書類の準備から調査の申し込み、実地調査、そして報告書の受け取りまで、取引をスムーズに進めるためのポイントを押さえましょう。ホームインスペクションに関する理解が深まり、その重要性と必要性を認識することで、より安心した取引が可能となります。