アパートもホームインスペクションを行うべき?必要性について解説!
ホームインスペクションとは、中古物件を売買する前に、住宅のコンディションを把握する診断のことです。これは、アパートも依頼できます。施工に問題ないアパートだとわかれば、入居者を募集するときに有利になります。今回は、アパートのホームインスペクションのことやいくつか注意点を織り交ぜながら解説します。
アパートにもホームインスペクションは必要?
ホームインスペクションは戸建て住宅だけではなく、アパートにも対応しています。一級建築士の資格を保有した専門家が診断し、住むにあたって問題ないかどうかをチェックします。もし、新しい入居者が生活を送るようになってから、部屋にカビが生えている、クロスが剥がれてきたなどのトラブル問題が浮き彫りになってしまうと、かなり厄介です。
また、現在の入居者の不満が蓄積されるだけではなく、そのような噂が世間に出回ってしまうと、次の入居者を確保するのが難しくなります。空室期間が長いと利益を確保するのが難しくなるので、トラブルを未然に防ぐためにもホームインスペクションを依頼しましょう。
アパートのホームインスペクションがあまり浸透していない理由とは
戸建て住宅において実施されているホームインスペクションですが、アパートではまだ広く行われていない現状があります。一体なぜでしょうか?
日本におけるホームインスペクションの歴史はかなり浅い
日本においてホームインスペクションが始まったのは、2000年代に入ってからです。そこから、一軒家を中心にホームインスペクション事業が開始になったにも21世紀に入ってからであるため、いまだに浸透していないというのが昨今の状況です。
オーナーの無関心も原因のひとつ
戸建て住宅を建てるときは、工事の段階ごとに第三者によるホームインスペクションを依頼する施主が多くなりました。これにより、施工不良を早い段階で防ぐことが可能となっています。
しかし、アパートを建築するときにホームインスペクションを第三者の専門家に依頼するオーナーは少ないのが現状です。そのため、早期に施工不良を見抜けずに、マンションを引き渡して入居者が生活を送るようになってから、施工不良を知ることになるケースが多くなったのです。
利回りを考慮して依頼しないケース
アパートを経営するときは、初期費用をできる限り抑えることで早い段階で利益を確保できます。初期費用のなかには工事費用も含まれています。ホームインスペクションを専門家に依頼した場合は費用が発生します。そのぶんの費用を後から回収しなければ利益にならないので、オーナーのなかにはホームインスペクションを実施しないと考える人がいます。
自分が生活しないので依頼しないケース
オーナー自身がアパートで生活しないことが、ホームインスペクションを行わない理由として挙げられます。
アパートのホームインスペクションを行うときの注意点
アパートのホームインスペクションをするにあたり、5つの注意点を紹介します。
すべての部屋の調査を依頼すると費用が高額になる
アパートのすべての部屋を調査してもらうと、時間がかかるだけではなく費用も高額になります。そこで、いくつかの部屋をピックアップして調査を依頼するとよいでしょう。
サンプル調査の部屋の選び方
1階の部屋と2階の部屋、1階の東側と2階の西側のように、できる限り離れている部屋をピックアップしましょう。専門家はアパートのホームインスペクションを経験しているので、サンプル調査を依頼するときに部屋をどのようにピックアップすればよいのかわからないときは相談しましょう。
中古アパートは空室のみ依頼する
入居者が生活している状況では依頼するのが難しくなります。この場合は空室のみ依頼しましょう。満室だった場合は、共用部の廊下や建物の外観だけでも調査してもらいましょう。これだけでも問題が発見される可能性があるからです。
中古アパートの床下や屋根裏調査は難しい
入居者が生活している場合は、床下や屋根裏の調査に制約を受けます。床下は下の階の入居者が生活しているスペースだからです。このことから、入居者が生活する前に調査を依頼するとよいでしょう。
基礎・外壁・廊下などの点検も大事
室内の断熱性能や気密性能などを調査してもらい、居住空間を快適に保とうと考えているオーナーがほとんどです。共用部の調査も疎かにしないようにしましょう。階段の手すりを塗装しなければいけない場合や、外壁のメンテナンスが必要な場合もあるからです。
まとめ
マンションの施工不良を発見したものの、その状態を放置していると入居者の生活環境が良くなりません。現在は、至る所にマンションが建てられているので、入居者が不満を感じたら別のマンションに引っ越す可能性があります。オーナーにとって空室状態は避けたいものです。そのためにも、ホームインスペクションを依頼して不具合が発見されたときは、速やかに対処するようにしてください。アパートの築年数に関わらず調査を依頼するとよいでしょう。