ホームインスペクターと既存住宅状況調査技術者の違いは?ホームインスペクションはできる?
ホームインスペクターと既存住宅状況調査技術者という2つの資格があります。両者は一見似た役割を果たしているように見えますが、実際には異なる資格です。ホームインスペクションができるのはどちらでしょうか。今回は、両者の違いについて解説し、どちらがホームインスペクションを実施できるのかを確認します。
ホームインスペクターとは?
まず、ホームインスペクターとは、住宅の状態を第三者の立場でチェックし、欠陥や修繕の必要がある箇所を報告する専門家です。主に中古住宅の売買時に依頼されることが多く、住宅購入者や売却者が物件の状態を正確に把握するために利用されます。
ホームインスペクターは、建築の専門知識をもち、目に見えない部分を含めた詳細なチェックを行うことで、後々のトラブルを防ぐ役割を果たします。ホームインスペクターは、民間の資格であり、資格の取得には所定の講習や試験を通じて専門知識と技術を習得する必要があります。
この資格をもっている人は、公認ホームインスペクター協会などの団体に所属し、信頼性のあるインスペクションを提供しています。民間資格であるため、その認定や規定は団体によって異なることがありますが、基本的には住宅の状態を客観的に評価し、購入者や売主に報告書を提出する点では共通しています。
既存住宅状況調査技術者とは?
次に、既存住宅状況調査技術者について説明します。これは、2018年に施行された「宅地建物取引業法の改正」によって設けられた国家資格です。
この資格をもつ技術者は、主に既存住宅(中古住宅)の売買時に、建物の状況を確認し、その結果を宅建業者や買主に報告します。とくに、この資格が必要となるのは、売買契約の際に物件の状況説明が求められるケースです。
既存住宅状況調査技術者の役割は、国が定めた基準にもとづいて、住宅の構造耐力上主要な部分や雨漏りなどの問題を調査することです。そのため、住宅の安全性や耐久性に関する詳細な調査が求められ、調査の結果は「既存住宅状況調査報告書」としてまとめられます。
この報告書は、売買契約時に重要な書類となり、売主と買主の双方にとって信頼できる情報源となります。この資格を取得するには、建築士などの専門資格をもっていることが前提となっており、そのうえで特別な講習を受け、試験に合格する必要があります。そのため、既存住宅状況調査技術者は、建築に関する高い知識と技術をもつ専門家であるといえます。
両者の主な違いとは?
ホームインスペクターと既存住宅状況調査技術者の違いは、主に資格の性質や業務範囲にあります。
ホームインスペクターは民間資格
建物の状態を第三者の視点でチェックすることが主な業務です。インスペクションを通じて、建物に潜む問題点や修繕が必要な箇所を見つけ出し、購入者や売却者に対してその情報を提供します。
ホームインスペクターは、あくまで民間資格のため、その調査結果は法律上の義務ではありませんが、信頼できるインスペクションを提供することで、住宅取引に安心感をもたらす役割を果たしています。
既存住宅状況調査技術者は国家資格
建物の安全性や耐久性に関する調査が法律によって求められる場合に活躍します。既存住宅状況調査技術者の調査結果は、売買契約時に重要な書類として扱われ、法律にもとづいた報告が求められます。
とくに、住宅の主要な構造部分や雨漏りなど、建物の根本的な問題をチェックすることが義務づけられているため、その調査結果は法律的にも重要な意味をもちます。
資格取得の条件にも大きな違いがある
ホームインスペクターは特定の資格を必要とせず、講習や試験を通じて専門知識を学びますが、既存住宅状況調査技術者は建築士の資格をもっていることが前提となります。そのため、既存住宅状況調査技術者は、より専門的で技術的な調査を行う能力が求められるのが特徴です。
ホームインスペクションはどちらも行えるのか?
結論からいうと、ホームインスペクション自体は、ホームインスペクターも既存住宅状況調査技術者もどちらも行うことが可能です。しかし、目的や調査範囲によって依頼する専門家が異なる場合があります。
ホームインスペクターは、主に購入者や売主が住宅の状態を把握するために依頼されることが多く、住宅取引の安全性や修繕計画に役立つ情報を提供します。一方、既存住宅状況調査技術者は、法律にもとづいた調査が必要な場合や、宅建業者が関与する取引で求められる調査に対応します。
とくに、建物の安全性や耐久性に関する調査を確実に行いたい場合は、既存住宅状況調査技術者に依頼することが適しています。どちらの専門家に依頼するかは、住宅の状況や取引の目的によって判断することが大切です。
住宅購入時には、表面的な部分だけでなく、内部の構造や将来的な修繕が必要な箇所までしっかりと確認するために、信頼できる専門家に依頼することが重要です。
まとめ
ホームインスペクターと既存住宅状況調査技術者は、どちらも住宅の状況を調査する専門家ですが、資格の性質や業務範囲には違いがあります。ホームインスペクターは民間資格であり、購入者や売主のために住宅の状態をチェックし、安心して取引できるようサポートします。一方、既存住宅状況調査技術者は国家資格をもち、法律にもとづいた調査を行い、その調査結果は売買契約において重要な書類となります。住宅購入や売却を考えている方は、どちらの専門家に依頼するべきかをよく考え、住宅の状態を正確に把握することが大切です。