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ホームインスペクションは義務化されている?メリット・デメリットを解説

公開日:2022/03/15   最終更新日:2022/04/12


住宅の売買について調べていて、ホームインスペクションという言葉に疑問を持った方も多いのではないでしょうか。ホームインスペクションとは、住宅の現状を診断することで、住宅の売買では義務化されています。この記事では、ホームインスペクションについて、概要と義務化について詳しく解説しています。

ホームインスペクションは義務化されている?

ホームインスペクションとは、住宅の現状を診断し、建物の施工不具合の有無や劣化の状況を確認する住宅の調査のことを指しています。広義では、雨漏りや建物の傾きの原因や被害状況を調べることも含めて呼ばれることもあります。現状を調査し、評価することで建物の状態を可視化することが目的です。

ホームインスペクションは、売買に関係のない第三者や不動産業者が行います。2018年の4月より宅地建物取引業法の改正案が施工され、ホームインスペクションは義務化されました。ホームインスペクションの義務化は中古住宅の売買に限定されています。以前から新築や中古物件の売買の際に、任意でホームインスペクションを行っていましたが、取引の透明性を高めるために、中古住宅については義務となりました。

ホームインスペクションの義務化は、取引の透明性を確保することで、不動産取引の活況を狙った国の施策です。中古住宅のみ義務とされていますが、新築でもホームインスペクションは重要です。建築途中で第三者のホームインスペクションを入れることで、健全な建築が行われているか、確認することができます。話の流れから、ホームインスペクションの実施が義務付けられているように思えますが、実際に不動産業者が売主や買主へ行うこととして義務付けられているのは以下の3点です。

・ホームインスペクションについて説明の義務
・ホームインスペクションを実施済みの場合、結果報告の義務
・売主と買主が建物の状況について、書面で確認を行う義務

3つの義務は媒介契約・重要事項説明・売買契約のタイミングで果たされます。

ホームインスペクション義務化のメリット・デメリット

ホームインスペクションの義務化は、中古住宅の流通において取引の透明性を確保するという大きなメリットを得ましたが、デメリットもあります。それぞれの立場ごとにメリットやデメリットを解説します。

■買主のメリット・デメリット

事前に建物の状況が把握できることは、買主にとって大きなメリットがあります。大きな劣化や異常がなければ、安心してそのまま家を買うことができますし、大きな劣化や不具合が見つかった場合、リノベーションやリフォームを行う価値がある物件なのか、検討することができます。

買主側のデメリットを挙げると、ホームインスペクションを行う業者を選べない場合、瑕疵のトラブルが起きる可能性があることです。ホームインスペクションは、基本的に買主側のメリットが大きく、デメリットは少ないです。

■売主のメリット・デメリット

売主側のホームインスペクションのメリットは、瑕疵など全てをオープンにした取引ができるため、トラブルが少なく、取引がスムーズに進みやすい点です。正式なホームインスペクションがなければ、物件の状況を確認するまでに、時間を要することになるでしょう。建物の状況をオープンにすることで、物件のアピール材料になるケースもあります。

売主側の考えられるデメリットは、ホームインスペクションの調査のために、住んでいる最中に家の状況を詳しく見られる点です。プライベート空間に踏み込まれるので、落ち着かない時間を過ごすことになります。取引の透明性が高まることは、売主にとってもデメリットよりもメリットのほうが大きくなります。

■不動産業者のメリット・デメリット

売買の仲介者である不動産業者がホームインスペクションによって得られるメリットは、事前に住宅の状況が判明していることによる取引のスムーズさです。トラブルも減るので、自然と対応できる取引量も増え、仲介による利益をアップさせることができます。

デメリットとして考えられる点は、ホームインスペクションによって見つかった瑕疵が元となって取引が成立しない、疑問点の対応が増えるなどが挙げられますが、後のトラブルを事前に回避していることと同じなので、デメリットというよりは、結果的にメリットと考えることもできます。ホームインスペクションの義務化は、三者の立場から見ても、デメリットよりメリットが多い取引ということがわかります。

 

ホームインスペクションの義務化は、住宅の状況を調べて可視化することで、取引の円滑化と流動性の向上を狙った国の施策です。義務の範囲は中古住宅に限られていますが、新築でも円滑な取引を促進する効果を発揮します。売主、買主、仲介業者の三者からみてもメリットのほうが多く、デメリットは少ない点が特徴です。

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